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長唄三味線の初歩指導についての提案/ハジキとスクイの組み合わせ
前述のハジキはバチを使わない単独のハジキであった。ここでは勘所を押さえ、一音弾いた後のはじきを扱う。人差し指と薬指によるハジキに加えて、前に触れずにおいた人差し指と中指とによるハジキも、ここで扱うことになる。
はじくと同時にバチを上げると次のひとバチへのアプローチが素早くでき、なめらかな演奏が可能になる。譜面の意味が解り、手順を体で覚えてしまえば決して難しくなく、むしろおもしろい音をつくりだす楽しい活動となるはずである。指導者が主旋律を弾き、虫の合方の「チンチロリン」や佃の合方「チャラリチャラリチャン」などのオスティナートを受講生に演奏させるととても楽しく取り組める。この時期からこういったことを手すさびに繰り返していけば、いわゆる「良く手が回る」ようになるのではないかと思われる。
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人差し指で押さえねばならない勘所は、調子(本調子・二上り・三下り)によって原則も多少変化するが、ほぼ決まっている。そしてその勘所を基準としてその音より半音ないし一音高い勘所を中指および薬指で押さえる。
中指および薬指で押さえる勘所において、初心者の場合は先に人差し指で主になる勘所にたどり着いて後に必要な指(中指および薬指)を付け足して押さえるようにする。こうすることによって、数多くの勘所を全て覚えて
押さえるのではなく、目安となる基準の勘所から距離を測って押さえことが出来、より正確な音を出すことが可能になる。
中級以上になり、さらにより良い音の響きを求めるようになる時、人差し指を少々浮かせて弾く場合も出てくるが、初心者の内は、決して中指および薬指の単独で勘所を押さえることのないようにする。また、次のポジション移動についても人差し指を離さないようし、まずは正しい勘所を押さえ、正確な音を出す事を第一に心がける。
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