長唄三味線 杵屋勝禄江

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長唄三味線の初歩指導 についての提案

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長唄三味線の初歩指導についての提案/講習会指導案

和楽器実技講習会


長唄三味線の実技指導案
目標 簡単な曲を通して、三味線奏法の基礎を習得する。
  三味線の初歩の指導について考える。
実施計画  
  第一次 三味線の知識 (歴史・種類・楽譜について・
各部名称及び付属品)
第二次 実習(1)構え方  
  指すりのつけかた  
  膝ゴムの位置  
  調絃の構え (3本・本調子の調絃)
  バチの持ち方  
  三味線の構え方  
第三次 実習(2)基本奏法  
  バチ使い (押しバチ・開放弦・スクイ)
  指使い (人差し指・第二指・第三指の押さえ方・
スクイ・ハジキ・指運び)
第四次 実習(3)練習曲  
  本調子 (越天楽・うさぎ他)
  二上り (かぞえ歌・荒城の月) 2の糸を上げる
  三下り (四季の歌・さくら)本調子にもどし3の糸を下げる
(花嫁人形)または、1の糸を上げる
  本調子 小鍛治の合方)3の糸を上げる
(勧進帳の合方)
(子守歌)
  二上り (供奴)2の糸を上げる
第五次 三味線の取り扱い 後片付けのポイント
  棹の手入れ  
  糸の始末(サワリ溝の保護)
  駒のはずし方  
  その他点検項目  

 

内容
  指導事項 留意点 備考
第一次三味線の知識 1.三味線の歴史 ・鉄砲とともに「堺」に伝わる
・国内産の猫皮、犬皮が用いられるようになる
・「皮」と動物の命について考える。
・スーホの白い馬
2.三味線の種類
棹の太さとジャンル
太棹 …… 浄瑠璃
津軽三味線
低音三味線
中棹 …… 常磐津、清元
地歌小唄
細棹 …… 長唄、端唄、民謡
短棹 …… 民謡
長唄三味線として講習を行う
 
3.長唄の楽譜
三味線文化譜 …… 絃譜
研精会譜 …… 相対音高
杵勝
(東吉郎)譜
…… 絃譜と相対音高
を併用
佐吉派譜
(いろはの譜)
…… 絃譜
・地歌・箏曲は、文化譜と同じ考え方であるが、縦書きで開放絃が一であるため勘所の表記が文化譜と一ずつずれる
0123456789…
1234567
イロハニホヘトチリヌルヲワカヨタレ… 1234567
いろはにほへと
ちりぬる……
1234……
一二三四……

実物を提示
4.三味線各部の名称及び付属品
・棹
材質 …… 紅木(こうき)
      紫檀(したん)
      樫(かし)
      花梨(かりん)

三つ折    
延べ棹    
高級品
 
 
稽古用
 
 
・胴
材質 …… 花梨(かりん)
内側の彫り …… 共鳴の工夫
      子持綾杉
      綾杉彫
      彫り無し
 
 
高級品
高級品
 
・皮(かわ) ・猫(四ツ皮)
・犬皮
・合成皮革
演奏会用
・天神
糸蔵 …… 最も壊れやすい部分
ねじ …… 象牙
      黒檀
      紅木
      紫檀
      樹脂
ネジ金具 ……
     
      真鍮など
 
・糸
絹、ナイロン、テトロン
  長唄用 一の糸 …… 15番
    二の糸 …… 13番
    三の糸 …… 12番
 
太さの番手
大きい数程太い
13番も可
・駒 ・象牙、舎利(骨)駒 、竹、プラスチック
・ジャンルにより高さや構造が違う
・皮の状態や求める音色により高さ・位置を加減する



地歌…鉛が入っている
・根緒 ・絹、化繊  
・保護カバー ・天神袋……演奏の時ははずす
・胴かけ……汗等の湿気から皮を守る
 
・演奏補助用具
(すべりどめ)
胴かけのゴム
膝ゴム    
胴ゴム …… 膝ゴムの代わりに胴に両面テープではりつける
指すり(指かけ)
譜尺    
材質…スポンジ、ラテックス等多種 ・三味線を置いたとき、客席からゴムが見えるので、舞台では使用しない
・撥(ばち)
材質 …… 象牙
      べっこう
      木(樫、ツゲなど)
      樹脂
ジャンル、流派により形質が違う
 
5.調絃について
(種類)
基本的な調絃
・本調子
・二上り
・三下り
特殊なもの
・一下り
・六下り=三メリなど
 
6.勘所と譜面・譜尺 ・文化譜の見方
勘所(ポジション)譜
文字(数字)一つが四分音符 1拍を表す
 

 

内容
  指導事項 留意点 備考
第二次実演(1)構え方 1.座り方 ・足の親指と親指が軽く触れ合う。
・膝はこぶしが一つか二つ入るくらい開ける
 
2.指すりのつけかた ・幅の広い輪を左親指にかける
・親指の股に隙間が出来ないようにつける
・細い方の輪を人差し指にかける
 
3.膝ゴムの位置 ・右膝の中程に置く  
4.調絃の構え ・天神を膝に置き、胴を右斜め前に出す
・右手中指と親指で棹の中程を挟み人差し指で弾く
・一の糸、三の糸は二の糸巻きを腹につけて向こう側からネジを巻く
・二の糸は、糸巻きの縁に左親指をかけて、向こうへねじ込むように巻く
 
5.本調子の調絃 ・3本の本調子に調絃する
一の糸  シ
二の糸  ミ
三の糸  シ
一は三の1オクターブ上
 
6.撥の持ち方 ・小指と薬指で上から挟む
・人差し指、中指、薬指でバチを掴み親指の腹でバチ先から2㎝程のバチの上面を押える
・小指を伸ばす
・縫い物をするような感じで、人差し指と親指で、上下からバチを挟む
・顔に風がくるように、団扇をあおぐような感じで手首を回転させる
・バチの持ち方はジャンルや流派によって全く異なる
7.三味線の構え 1.右手で根緒、左手で鳩胸を下から支えて持ち、胴を右膝に水平に乗せる
2.20゚~30゚上に向ける
3.胴の角に右腕(小指がわの手首から10㎝程の所)をのせる
4.右手首を回しながら、左手で棹を支え斜めに構える
・膝と腕で胴の角を対角線ではさんで、支える
・親指で糸が弾ける状態になる
・左手は棹を握りこまず、指スリの部分で下からそっと支える
・バチ使いのイメージ ・親指の延長にバチ先がある
・手首を回してバチの裏を見るような感じで振り上げる
・「イヤ」「ヨオ」「ヨーイ」などのかけ声でバチを上げる
・糸に対して直角に弾く
・下の糸を抑えこんで動作が終わる
・手首の力を抜いて、バチ先が3の糸の上で円を描くように回転させる
・流れを内側へもっていく
・バチ先が糸に触れる瞬間にのみ力を込め、それ以外は肩や肘、手首などをリラックスさせておく
・素手で
・左手の構え ・親指と人差し指の股(水かき)、指すりの布の部分のみで棹を支える
・手のひらで棹を握り込んだり、受け止めたりしない
・指は解放しておき、特に親指は棹の裏にくっつけたりせず外を向けておく
・手のひらを胴の方に向け、指すりで棹を軽くこすりながら左手を上下させる
・他の指は爪を短くまっすぐに切り、ふんわりと丸くし、ピアノの鍵盤に対するように指先の爪と肉と両方で直角に押さえる


・指は自由に動く状態
いつでもハジキができる態勢 ◎第Ⅰ指と第Ⅲ指によるハジキ
・人差し指(第Ⅰ指)をしっかり立て糸を押さえる
・薬指(第Ⅲ指)の先ではじく
・高い10の勘所から順に低い勘所へ移ってハジキを試みる
◎第Ⅰ指と第Ⅱ指によるハジキ
・実際の演奏ではこれを連続して行うことはまれである
◎第Ⅰ指のみのハジキ
・基本的には一番上の勘所で行うが、どの位置でも行う。
・どの位置にあっても押さえる形がくずれないようにする
・ハジキの練習ではなく、あくまでも左手の構えを身につけるための動作として行う

 

内容
  指導事項 留意点 備考
第三次実習(2)基本奏法 1.バチを持ってひく
◎押しバチ
「越天楽」
・手首を柔らかくして、バチの裏を見る
・バチ先は糸に対して直角に
・親指と三本の指(人差し指中指薬指)でバチをしっかりはさみ、糸をおさえ込む
・一・二・三の糸の順に続けて押しつけるようにはじく
◎人差し指で勘所を押さえる
・バチ先の軌跡
・手首の回転の感触を覚える
・人差し指が浮き上がらないようにする
・ひき終わったら手首の力を抜く
◎開放弦の練習 ・一の糸
二の糸を押さえ込んで終わる
・二の糸
三の糸を押さえ込んで終わる
・三の糸
もう一本糸があるつもりでひき終わる
口三味線
ドン

トン

テン
「イヤ」「ハッ」
等のかけ声でバチを上げる
◎スクイの練習 ・すくわずに普通にひく
・バチを上げるとき、わずかに糸に触れる
・手首をリラックスさせてすくう時に決して力を込めない
・早間でひいてみる
 

 

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